教育学的原理である。
その委託は、授業科目を規定するだけでなく、学校の日常生活のすべてに対してもなされている。このことは次の4つの表現に言い換えることができる。
?@模範
環境教育は、学校そのものが学習模範モデルとなり、責任ある環境挙動の好例となっている場合のみ、実りのあるものとなり、効果を発揮するものである。模範と自分たちの責任ある環境意識でもって私たち教員は、子どもたちに自然と人間仲間に対する畏敬の心と、原料とその他の物質の取扱い方についての模範を示すこと、人間と自然との間の影響の関係について悟らせること、環境の維持と保護に対する必要性を教えることができるのである。
?A探索
とりわけ学校内や家庭内の、その地方の環境におけるゴミの種類、量、回収の周期、処理場について調べて見ることは、環境の認識に役立つことである。
さらに市のゴミ処理場、ガス工場や火力発電所、アパートや住宅の所有者と賃貸居住者、飼い犬、さまざまな市民の意見について知ることも、環境の認識に役立つであろう。
例)調べて得たデータを材料にしてゴミの問題を真剣に考えることができる。
今後、事態はどう展開していくのか?
私たち人間は、刻々と増え続けるゴミの出を前にして何もしないでいて、よいのだろうか?
他の国々ではどのような処理法を採用しているのか?その他。
?B示唆
子どもたちは経験から、問題はさまざまな観点から考えることができ、行動する前に詳しい情報を得ることがしばしば問題の解決に役立ち、しかも人間は、問題に直面しても最初のうちは、互いに理解し合うことができないことなどを知るようになる。互いに理解し合うためには、問題の背景にある危険な状態をも自力で理解することが必要である。生徒には、原因と結果について、また影響することと影響しないことについて、考えさせる。
?C形成
環境のテーマは、他の事柄とも関連している。クルト・シュヴィッタース(独、20世紀前半の画家、詩人)、パブロ・ピカソ、ヴォルフ・フォステル(独、現代の前衛芸術家)、その他の芸術家には、ゴミを材料にした作品がある。年長少年(ドイツでは14歳から18歳)は、ゴミを材料にしておもちゃを作ることができる。
「ゴミ」のテーマは、対話・討論授業の対象とすることもできる。またファンタジー物語を書く、詩をつくる、インタビューを再現するなどといったことができる。音楽の学科でも、ゴミの歌を一緒に歌ったりすることができる。
さらに子どもたちは、自分たちの教室や学校環境をどう形成するかについて自分たちで決定を下せるようにすると、その決定に責任感を抱くようになる。そのような形成には、自然の時間経過を知ることができる。学校内での子どもたちが作り出した「自然」空間を維持するのに必要な動植物の世話や手入の引き請けも含まれている。