の時間を過ごす施設)が増設されたことにより、子供と大人が昼間に社会的に接触する時間がますます減少した。このことは、子供たちが社会的に管理され、彼らが自分で楽しみを見つけて勉強したり、作業をしたり、遊んだりすることを少なくする結果を招いている。子供たちは、大人が組織した余暇活動に参加し、新しい経験をし、色々な可能性を学ぶようになっている。
異なった世代の間の交流が少なくなった反面、子供たちは専ら同じ年齢層の子供と付き合うようになっている。彼らは、自分たちだけの文化を発展させ、自分たちだけのファッション、音楽、娯楽、レジャーを作り出すことに重点を置いている。どの子供にも勉学の可能性が与えられ、色々な文化に接触し、旅行する機会が設定されているが、これは二、三世代前には考えられなかったことである。親は子供の教育に熱心で、時間と収入の多くを子供のために使っている。
わが国に移住してくる外国人およびその家族が増えているが、これはノルウェー社会の国際化を促し、託児所や教育施設の活動内容も以前よりずっと多様なものにしている。
社会が発展すると共に、技能、知識、資格、労働習慣に新しい要件が課されるようになった。働く場合は、これまで以上に分化した、或いは一層高いレベルの専門的な知識や能力が要求されるようになっている。すなわち、正規の学歴や職業資格を身につけることが欠かせなくなっている。同時に、仕事の内容も絶えず変化している。今や若者たちは、その職業生活において何度かの転職を当然とする覚悟がなくてはならない。従って、これからの教育制度は、生徒たちが新しい分野の仕事を遂行するのに必要な知識と技能を習得し、それを実際に適用できるように訓練され、且つ日進月歩する社会の進歩に遅れぬように労働市場の要求や変化に対処できて、新しい教育の必要性を理解できるようにするものでなければならない。
子供たちが自分の能力に自信を持ち、社会的に価値ある知識や技能を身に付けることは、文化生活、労働生活、社会生活に積極的に参加できる前提であり、子供たちの人間的価値を大いに高めることになる。
学校は、子供の家庭でも精神的に豊かで恵まれた成長環境と教育環境が用意されるように両親を支援しなければならない。学校教育は、教育計画の基本部分にも記されているように、生徒たちが人生に対する理解を深め、全人格的な発展をするように刺激することを目的にしている。学校教育は、共通で平等な発展基盤のもとに、生徒各人の性格と才能に応じて万全の発展可能性を提供しなければならない。また、年齢に関係なく、生徒たち、大人たちが常に発展を続けるように導き、学ぶことの楽しさを知り、自分の才能に自信を持つようにしなければならない。
社会の発展と教育制度の改革は、成人にも新しい要件を課している。学歴の低い者は社会的にも弱者グループになり易いので、労働市場における競争力を強くするために専門的なコンピテンスを取得する必要がある。新しいテクノロジーに対応するには、職業的コンピテンスを常に新しい状態に保つように努力しなければならない。
これが、基礎学校と高校の改革および成人教育課程と生涯教育の強化の主な狙いである。
子供たちと成人の生活条件の変化および産業界と社会が必要とする要件の変化には、学校と教育内容の改善により対応しなければならない。
2.教育界の改革