次世代を担う子供たちを育てていくに際して、現代の困難な社会問題である、環境問題について自ら問題を解決し、自然生態系を守り、育てていこうとするような、社会参加を積極的に行う行動者の育成が、環境教育の達成目標に掲げられている以上、これを推進するためには、指導者養成はもっとも重要な課題であるといえる。そこで、大学における学校教員養成課程(pre-service)や、学校教員の再研修や大学での教員資格更新のための課程において(in-service)、どのようなトレーニングが海外で行われているかについて調査を行った。
3-1 米国ウィスコンシン州
アメリカ合衆国での環境教育全体については、4章において改めて論ずることにするが、ここではウィスコンシン州における環境教育指導者養成について、州教育省の定める免許取得条件と、州立大学で行われているカリキュラムの2つを紹介する。
3-1-1 ウィスコンシン州教育省教育規定における教員再免許取得のための資格要件
(a)免許発行 略
(b)免許更新
1.(c)(e)(f)項に規定された者以外(保健師、ろう唖者のための通訳など正式の教師ではない者)は、正式免許の更新は申請者が、免許更新の申請をした時点の直前の5年間に、大学に出向いて、6セメスター学期の単位または同等の継続的専門教育講座や研修を受ける、満足できる内容で完了した場合。
この6学期または同等の研修は、直接または十分に申請者が持っている、ひとつまたはそれ以上の免許に関係のあるものでなければならず、また申請者の職業的能力に関係のある内容でなければならない。
2.小項目3で求められていることを除き、この6学期の単位または同等の内容は、以下の条項のうちのひとつ、またはそれらの統合したもので取得される。
a.半学期または同等の四半期単位を、P14章のもとで承認されている学科・プログラムを持つ機関、また学士あるいは大学院資格を公式に与えることのできる単科大学(カレッジ)か総合大学で得る場合。
b.半学期または同等の四半期単位で、P13.023章で承認された大学外コースで取得されたもの。
c.同等の時間でPI3.025(2)(a)で承認されたワークショップやセミナーあるいは会議で取得されたもの、ワークショップ、セミナー、会議で取得された30時間は公式の大学(カレッジやユニヴァーシティ)での一半学期(セメスター/semester)と同等である。
d.専門的なフィールド経験(実習=PI3.025(2)(b)において承認されたもの)における同等時間を取得した場合、この実習での80時間が一半学期に相当すると見なす。
e.実社会で得られた専門的な学習経験でPI3.025(2)(c)で承認された内容のもの。
f.略
g.略