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3.3 行動の方向指示と行動範囲

生徒が個人的経験と能力を自己の環境に関わる行動に移し、有意義な経験ができれば、複雑な関係を理解しやすくなり、前もって見い出した状態の条件とその改善の可能性を熟考する心構えも促される。

児童・生徒は、独自の計画、探求、質問、観察、調査、試験、測定、比較、制作と変更、描写、記録、解釈をする中で、活動を目指した、環境に対する責任意識を発達させることができる。

そのような活動の範囲は、例えば下記の場合に明らかになる:

-校舎、校内グラウンドの環境にやさしい設計、必修授業から学校祭、給食に至るまで学

校生活の環境を考慮した構成;

-校庭、学校に近いビオトープ、学校林の手入れ;

-種の保護のための処置、植林活動、害虫駆除活動(保護期間に必ず注意すること!)

若者の個人的・社会的アイデンティティーに従った探求心が主な特徴である学年には、環境教育を生徒個人の関心、必要、問題に合わせること、生徒が環境教育の内容と目的を必要且つ生活にとって重要と認識すること、生徒が教師を励みを持たせる助言者であり説得力のある手本と知覚することがふさわしい。

思春期の若者の環境教育は、個人の価値体験と心の問題に対して年令に特有の感受性を利用すべきである。特別のやり方で、成長期の若者に、環境に適した思考、判断、行動のための美的で倫理的な基準も身に付けさせることが可能になる。

そのためには、創造に対する畏敬の念から、それを守るための模範を示した人との出会いを利用することができる。そのような例こそが、自然をそれ自身のために尊敬すべきであるという生徒の姿勢を強固なものにする。

基幹学校、実科学校、ギムナジウムの中級クラスの終了時には、人間は自然および環境と調和してこそずっと生き延びられることを生徒は理解すべきだろう。そのためには、倫理的根拠があり、共同体のための責任と義務で妥協する能力をも含む、個人の姿勢も必要である。

 

ヘッセン州指導要領/科目を超えた課題分野(一部)

1.5 環境教育

課題と目的

基礎学校における環境教育の課題は、児童生徒に自然の環境および人工的空間への取り組みについて理解させ、実際的権限と価値を教え、環境を意識した思考と行動の元となる基準を教えることである。

環境教育の内容は、日常的破壊や悪化し続ける環境の状態に限定されてはならない。授業はむしろ、具体的に感じられる経験を通じて自然への情緒的アプローチを子供たちに提供し、積極的価値保存の構造のための努力をさせる必要がある。

 

 

 

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