1-3-3 ドイツの環境教育の取り組み
ドイツもアメリカ合衆国同様に連邦国家であり、州により独自のカリキュラムを作成している。
ここでは、バーデン・ヴュルテンベルク州、バイエルン州、エッセン州における環境教育の考え方を資料の一部抜粋により紹介する
バーデン・ヴュルテンベルク州の学校における環境教育
発行:バーデン・ヴュルテンベルク文部・スポーツ省
1 カリキュラムの中の環境教育
環境教育は、一般教育学校、並びに職業学校のカリキュラムにおいて、専門教科課程の中でも、又複数の科目に跨がるテーマの枠の中でも、ひとつの重要なポイントとなっている。これに関係する科目は、次のものである。
生物学、地理学、化学、物理学、体育、社会科、ドイツ語、倫理学、プロテスタント/カトリックの宗教の授業、職業学校における職業に関連する科目
基礎学校における環境教育は、郷土と一般社会の授業で行われるが、複数の科目にまたがるテーマの枠の中でも考慮の対象となる。促進学校(これまでは、知恵遅れの子供の為の学校と呼ばれていた)における環境教育は、関係するテーマ群の中の幾つかのテーマに添った、複数の科目に跨がる授業計画/プロジェクトの枠内で行われる。精神障害者の学校では、総合科目授業の枠の中で、環境教育の視点が考慮される。
授業の範囲とともに、授業外の学校活動にも、特別な意義がある。
学校は、教育と人間形成の使命の枠の中で、我々の環境の総合的な関連についての知識を伝え、それを理解させることを通して、又、立場・考え方や内面的な価値観を、知覚によってのみならず、その他の形でも育てていくことを通して、環境問題の解決に寄与するのである。児童・生徒は、自然が与えてくれる財産の摂取・利用と、自然の基盤の維持・保護の間の均衡が保障される必要があることを、認識しなければならないのである。更に、自然の生命基盤の保護の為には特に、各自の個人的発展への要求と、公益の要求とを調和させるべきであることを、児童生徒に理解させなければならない。そこから、責任を持って自然と交わり、生命基盤を危険にさらすことを防止しようという心構えが生まれてくるようにするのである。