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作業や実験の計画作成と遂行の訓練をしなければならない。フィールド・ワークや教室・実験室での発見や経験を発表させたり、報告を作成するために各種の手段を利用することにより、それぞれの手段の長所と短所を会得させる。

 

1-3 その他

1-3-1 OECDにおける環境教育の取り組み

OECDは、西側先進諸国における社会的・経済的組織である。近年、経済問題は環境問題を考えずには語れないという認識のもと、環境教育に取り組み始めている。

環境教育は、CERI(Center for Educational Reseach and Inovation)が担当している。

環境教育の実施に当たっては、OECDプログラム「The Environment&School initiative Project(ENSIプロジェクト)」が1986年に発足している。ENSIプロジェクトの教育的なねらいは、これまでの学習実践と教育方式の反省に基づき、大きく2つの柱から成り立っている。

ひとつは児童に社会的責任をできるだけ与えることで社会的能力・技能の促進させようというもの、すなわち環境保全のイニシアティブと責任をとろうとする児童生徒の能力開発がある。

ふたつ目は、学校と地域社会の協力など、環境教育推進のための体制の改善がある。

さらに、ENSIプロジェクトでは、環境教育を成功させるために、まず初等教育の授業内容と方法を改革する必要ということを強く打ち出している。

現在では、すでに約20か国の学校が参加している。スコットランド、オーストリア、北欧など環境教育の進んだ国のなかには、これを教育に全面的に用いている国である。ちなみに、イギリスなどはあまり熱心に取り組まれていない。

 

ENSIプロジェクトの第1段階では、11の国において1986〜1988年に実施された。その結果は、オーストリアのリンス市で開催された「教員・児童・専門家・行政担当者による国際環境教育会議」でまとめられている。ここでは、前述した2つのねらいに基づき、参加国のさまざまなプロジェクトが紹介され、議論された。

 

【ノルウェーでの事例】

Nord-Trandelage郡の14の専門学校の生徒たちは、食物連鎖を介して、チェルノブイリの原発事故からの放射能降下物の追跡調査を行った。データやサンプルを集めるために、学校は、地元の環境局、食品取締局、教員養成短大と協力を図った。

 

ENSIプロジェクトの第2段階としては、19の国において1989〜1994年にプロジェクトが各国で実施された。そして、とりまとめの会議は、ドイツのブラウンズウィック市で開催されている。

ここでのテーマは、環境教育の質の向上環境教育をクロスカリキュラムで実施することでの教育的なメリットなどの議論や、さらに教師が環境教育を推進しやすいように、学校における組織体制

 

 

 

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