断される副作用を及ぼすこともたびたびであった。ペストの広がりを抑制したDDTは生物に害を与え、食物連鎖の中で知らず知らずのうちに体内に蓄積され、さらに別の悪影響とあいまって、やはり知らないうちに生物の命を奪ってきた。地下資源を使用することにより最初は鉄の臭いとして現れていたものが、次第に汚染や酸性雨の原因となり、森林の枯渇や魚類を殺していったのである。
要約すれば、科学と技術は人類の条件と自然の両方を変化させる可能性を増大してきたのである。しかし、その技術革新により予測された範囲よりもはるかに広範囲で影響を生じることが多く、目標としたものより広い箇所で混乱を生じさせているのである。さらに技術革新は、マイナスの結果を呈しており、そのひとつが原子爆弾であり、そのほかにも酸性雨、森林枯渇、地球温暖化等の不測の副作用を引き起こしている。
我々の生活及び社会形態は、自然に対して深遠かつ脅威のある影響を持っている。これが各地域間あるいは各国間で確執を生むことになるのである。調査研究に基づいた人間の行動について、技術革新の結果はますます広範囲で相互関係が深いものとなる。該当を超える内部関係に関する知識を拡大し、各国間での努力を機動化する必要がある。これはより多くの知識、より総体的な知識、個人及び社会が全体として行った、より意識的な、生態学的、倫理的、及び政治的決定に対するニーズを増大するものである。決定は認識を持って行われたという洞察力のある決定、倫理的な評価を理解できるのである。
高い教育レベルを有する先進国は、世界人類の共通の未来を確保するという特別な責任を持っている。世界環境開発委員会では、改善された健康と人口過多、天然資源を枯渇させ生命を危険にさらす最新技術、自然を破壊し害を与える経済成長、貧困と欠乏から生じる、様々な、かつ、複雑に絡み合った危機的状況から生じる問題点に焦点を当てている。
我々が持続的な発展を確保するつもりであるならば、経済、生態学、技術の相互関係は、知識とモラルの点で特別なチャレンジを我々に要求する。そのために、環境が優先される際に起こる対立のみならず、自然、資源、技術水準、社会的状況によって設定される限界をその出発点として捉える必要がある。世界的な開発は生態圏が人類の活動の影響を吸収できるように有効な方法で政治的な方法により設定する必要がある。耐久性のある開発はモラルを必要とする。もし、それが可能ならば、世界の貧困との人類の足並みを揃えた団結が駆動力のある方針とならなければならない。
「我々が持続的な発展を成し遂げようとするとき、経済、生態学、技術の相互関係は、知識とモラルの点で特別なチャレンジを我々に要求する。教育は、自然の因果関係及び人間と自然との間の強調について広範囲な知識を必要とする。」