日本財団 図書館


急速に変化させる可能性がある。そうした新製品の例には、白熱灯や自動車、抗生物質やパソコンが挙げられる。新発明から応用まで、その道のりは短いことが多い。すでにレーザービームの発明は、現在ではCDプレーヤー、外科手術、レーザープリンターに応用されている。

人類は自然の一部である。我々は、自己の幸福のためばかりでなく、他人の幸福や自然に対しても同様に影響を与えながら常に意志決定を行っている。今や、我々の選択は国境を越え、世代を超えて広がる影響力をもつ。我々のライフスタイルが健康に影響を及ぼし、我が国の消費が他の国に自然破壊を引き起こし、我々の廃棄物は将来の世代に禍根を残したりするのである。

 

自然科学、エコロジー及び倫理学:

科学と調査研究は人類の健康を改善し、生活基準を向上させ、世界の多くの場所でその繁栄をもたらしてきた。しかし、同時に地球上のコミュニティにおける不平等を先鋭化し、自然に対する脅威も増加させている。

現代社会の基本的な特徴は、現代社会が技術、すなわち自然の原材料を人類の目的に合うように形を変える手順及び加工することに依存している割合がますます大きくなっていることである。この技術により我々は、薬及びワクチン、書籍及びテレビ、織物及びタービン、クオーツ時計、洗濯機に至るまであらゆるものを手に入れた。我々を取り巻くすべてのもの、たとえば、ジョギングシューズから火災報知器に至るすべてのものにおいて技術革新の成果が集積されているのである。

技術革新とは想像力を広げ、創造的なエネルギーを解き放つための場所であり、これが個人の生活を豊かにし、社会文化を向上させている。技術に関する知識は一般教育の主要な部分であり、それは祖先が培ってきた生活や作業を理解しようとする興味であり、また、まわりを取り巻く自然を自分たちの世界に入り込もうとする意欲と行動力である。

人類は疑問を呈して、その解答を求めることに喜びを感じ、知ること、身につけることに確実性を求める。科学的洞察を応用することは、能力を意識して利用するための喜びであり、新知識を勝ち取る刺激ともなる。このことは社会学的、人道主義的な洞察を利用して、人道的な選択をより多くし、より賢くする場合と同様に他の分野にも広がるのである。

 

人類、環境及び利益の衝突:

科学的な飛躍は、自然のありとあらゆる場所で見ることができる。科学と技術は生活を向上させ、人類の生活と自然への介入範囲を広げてきた。

しかし技術革新よる悪影響は常に後から発覚するものである。また、有害であると判

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION