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2. 地帯区分ごとの自然環境の概要と現況

 

2-1. 地帯区分の概要

 

前節で見てきたように、埼玉県の自然環境は多様性を有しており、生物はそれぞれの自然環境に適応して生息している。したがって県内の環境を単一なものとして、生物の生息状況を捉えるのではなく、いくつかの等質の環境単位に区分して捉えられている。

埼玉県において、動植物の分布と自然環境の関係を見るとき、地帯区分がよく使われる。これは、先の地形区分図に標高・植生の状況を加味し区分されたものであり、埼玉県を亜高山帯(標高1,600m以上)、山地帯(標高800〜1,600m)、低山帯(標高200〜800m)、台地・丘陵帯(標高50〜200m)、低地帯(標高50m以下)の5つに区分している。図?U-3は、数値地図の標高データを元に地帯区分図を作成したものである。

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この区分で生物相を論じることの妥当性については、チョウやトラカミキリなど昆虫類について検討されている(埼玉県動物誌,市川・原,斎藤:1978)。また、『埼玉の鳥とけものたち』(埼玉県,1986)や『さいたまレッドデータブック』(埼玉県,1995)でもこの区分が採用されており、埼玉県内の動植物相を捉える基本的区分として定着している。

 

 

 

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