日本財団 図書館


019-1.gif

同原図上に塗り分けられた、各要素ごとの地図。これらの地図を重ね合わせることにより、総合的な地域評価を行う。

 

2-2. ギャップ解析

 

近年、衛星による観測技術やコンピューターの処理能力の向上など、テクノロジーの発展により、より大量で詳細なデータの分析ができるようになった。その流れの中で、1990年代に入りGIS(地理情報システム)を利用した生態学的環境計画が行われるようになった。GISは空間データ(位置情報が特定できるデータとその幾何形状)と属性データ(個々の空間データに対する説明情報)を同時に利用することができ、地理データの解析に適するという大きな利点がある。

GISを利用した環境計画の一例に、フロリダにおけるギャップ解析をあげることができる。「ギャップ解析」とは、現在の動植物の生息分布図などのデータの上に、人間活動による影響や保護の状況など、多くのデータを重ね合わせることで、重要であるにもかかわらず保護の網が掛けられていない地域―「自然保護上のギャップ」―を明らかにする手法である(図?T-9)。

フロリダ州では、保護において焦点がおかれる44の種と脊椎動物120種の潜在的な生息域地図・ランドサット衛星画像による土地被覆分類地図土壌図・公有地及び、土地保全に寄与している私有地の地図・道路図などの重ね合わせにより、フロリダ州の約13%に相当する19,500平方キロの特に保全が必要とされている地域が新たに提案さている。こうして割り出された地域は、重点的に土地を買い上げて公的に守るようにしている。また完全に買い上げることが難しい場所に関しても、地権者と協定を結ん

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION