?Cエストニア
「生態学的補償地域のネットワーク(Network of Ecologically Compensating Areas)」という計画を考案している(カラー図?B)。これは水文学的システムを中心とした考え方が基になっている。広大な森林、湿地、沿岸部の3つが階層的なシステムの頂点に位置している。完全なネットワークはまだ実施されていないが、水保全バッファーのネットワークと代償地のネットワークがすでに法律に組み込まれている(Manderなど,1995)。
?Dフランダース地域(ベルギー)
「緑を中心としたフランダース地域の構造(GMSF)」と呼ばれているエコロジカル・ネットワークを進めている(図?T-4)。コアエリア・自然発展エリア・コリドーの3区域でこの地域の38%を占めるよう計画されている。GMSFの概念はすでに、この地域のおける自然保全に関するいくつかの決定に採用されている。しかし、ネットワークはまだ形式的なものでしかない(Blustほか,1995)。
点在する小規模なコアエリアを、自然発展エリアとコリドーによって連結させている。
?Bフランス
「動植物生態系の自然区域(ZNIEFF)」という国レベルのリストが完成している。このリストの社会的地位はまだ高くはないが、土地利用計画や天然資源の管理において実践的な価値を持つものである。また「タイプ2ゾーン」と呼ばれる2分割の地域区分を採用している。この地域区分は、重要な生物学的潜在能力を保持している森林・谷・河口といった大規模な単位で構成されているので、ヨーロッパにおいて最も重要なスケールとなっている(IEEP,1995)。