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3. 福井県

●福井県庁/県民生活部環境政策課(鍛治哲郎課長・前川勉主任・坪内彰参事)、農林水産部水産課(村本昭市主任)

●1998年3月19日14:00〜16:00

●概要

(1)対応全般について

・ナ号事件は悪天候とともにやってきた。怒濤のごとく押し寄せる重油を見てたまらず人力による汲取り回収に入った。それが最善なのか、別法があるのか特に検討しなかった。

・頼みもしないのにボランティアが大挙やってきてその受け入れ対応に戸惑った。人海戦術の型が決まったような感じであった。

・災害対策はあったにはあったがうまく対応できたかどうかわからない。

・海洋汚染に関する状況、条件処置(処理)の組み合わせマトリックスは北海道庁の関連部署から入手していた。

・福井県消防防災課は平成12年度完成をめどに平成10年度から「防災マニュアル」の作成にかかる。環境保全、自然保護も含まれる。

(2)微生物処理について

・福井県は微生物処理に関して他府県の行動を知らない。

・おそらく損害賠償請求額を除いて情報の共有性がない。

・微生物処理の売り込みはかなりあったと思う。しかし、国の技術的に時期尚早の通達があったこともあり、微生物処理は使うには至らなかった。

・漁協、特に三国町雄島漁協は強く反対した。同漁協は組合員数約300人、うち海女さんがおよそ200人である。

(3)今後の微生物処理対応について

・微生物処理は将来技術として注目している。

・僅かな予算処置だが、県立福井大学臨海研究施設でバッチ式の野外研究を開始した。

広石伸互教授が主任で、施設は小浜市堅海にある。環境庁環境研究技術課も注目している。

実験は昨年11月末頃終了しているので近く解析結果が報告されるのではないか。

フランス製Eポールと日本製132という栄養剤添加と無添加の比較をする。12ヶ月間に亘り、天候、気温、油の分解状況、微生物の増減状況を観察する。

・酒井哲夫福井市長の昨年3月の定例市議会での発言は「砂浜の浄化に、砂の入れ替えや波による洗浄、バイオ処理を考えている」となっている。

・海岸生態系の脆弱性が注目を集めるようになってきた。

(4)福井県環境影響調査報告書より抜粋

・福井県の今後の取組み

1 微生物による油分解・除去技術について

{1}目的

栄養剤を散布し油分解菌を活性化することによる油汚染のバイオレメディエーション技術について、その有効性および栄養剤・油の流出の環境影響を明らかにするため、福井県立大学およびプロジェクトチームにおいて共同研究を行う。

 

 

 

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