イ)水質
水温は生物の活性を支配する要因として極めて有効な情報である。過去の調査研究と腕は、栄養塩を添加しても、水温が低すぎるため生物分解が促進されなかった例も報告されている。
水質分析は、窒素、リン、溶存酸素、その他の微生物の増殖に必要な項目及び、pH、重金属等の微生物の増殖に影響を及ぼす項目について行う。
ウ)生物の生息状況
バイオレメディエーション適用による生態系等への影響を考える上で、あらかじめ有用生物や希少生物種等の生息状況について把握しておく必要がある。
また、有効性の観点から、現場の石油分解微生物の生息状況も重要である。この場合、微生物の種類により分解可能な油成分がそれぞれ異なることに留意する必要がある。
エ)波、地形等
微生物活動の促進には、水分も非常に重要な要素があり、油の残存状況によっては、これが有効性の観点から大きな制限要因の一つとなる可能性がある。場合によっては、水分の補給手段についても検討しなければならない。
また、有効性及び安全性の両面から、散布剤の成分が目的とする場所以外へできる限り流出しないよう配慮する必要がある。
このように、波の程度や潮の干満及び地形は、処理を行わずに放置した場合の浄化の程度を把握するために必要な情報であるとともに、散布剤の散布方法、散布場所を決定するために必要である。
留意点3
次の情報に基づいて、散布する剤の安全性を評価する。
名称、銘柄等
製造業者、輸入業者、販売業者と鵜の氏名、住所、電話番号
貯蔵方法、保存年限
作業従事者の安全性を確保するためのデータ
適用手順、使用条件、濃度管理方法
有効性を証するデータ
全ての成分の化学名(微生物の場合学名)、重量百分率
評価項目及び判定基準は次の通り。
窒素、リン等の栄養塩類 形状及び構成比が明らかであること
微量元素 形状及び構成比が明らかであること
界面活性剤、油親和剤等 所定の容量で用いた場合、環境基準値又は水産用水基準値を上回らないこと。基準値等がない場合には、生態影響試験の結果で専門家が判断する。