まずバイオレメディエーションは、現場によってその有効性や安全性が異なるものであり、使用に先立って調査・試験が実施され、現場での油分解に有効であること及び生態系等への悪影響がないことの判断がなされている必要があり、後述する6点に留意して有効性及び安全性の評価を行うべきであるとしている。
3.2.4 バイオレメディエーション技術の適用のガイドラインについて
環境庁水質保全局が作成した「油処理剤及びバイオレメディエーション技術の検討調査報告書」におけるバイオレメディエーション適用可能性の検討では次のように6段階の検討を行って実施の可能性を検討する試案を示している。これは今後のガイドライン作成のたたき台という意味がある。
留意点1 適用場所の想定
油汚染地域の中からバイオレメディエーションの適用場所を想定
留意点2 汚染状況調査
想定適用場所の油汚染の状況、自然条件等を把握
留意点3 散布剤の安全性評価
散布剤が人の健康や生態系に有害な成分を含まないことを確認
留意点4 バイオレメディエーション使用適否の検討と適用技術の選択
想定場所でのバイオレメディエーションの適用適否の検討と現場にあった技術の選定
留意点5 現場の汚染油を用いた室内実験
散布剤が現場条件下で有効性を発揮すること環境保全上支障がないことの確認
留意点6 現場における小規模野外実験
対照実験を含む小規模区画実験を行い、有効性及び安全性を確認
以下に報告書の原文を引用する。なお本報告にもとづいて環境庁の実験が実施されたが、実験の実施評価は第1章に触れてある。
留意点1
バイオレメディエーションによる汚染油の実施可能性を検討する際には、先ず現場を踏査し、適用場所を想定する。