(1)州および地方政府の役割
州および地方政府は地方別応答チーム(RRT)および地域委員会の構成員を務め、計画策定努力を通して決定手順へのインプットを提供する。さらに、対応時に統一司令部27の一部としての任務を果たすこともできる。従って、バイオレメディエーションが州および地方当局の許可なしで進行する公算は非常に小さいであろう。加えて、NCPは、公衆および地域社会への情報の配布と、彼らの関心事に対する考慮を要求している。
(2)公衆への情報伝達と参加28
NCPでは、事件が発生した場合は、その事件の性質に関する「迅速で正確な情報」と「損害を軽減するために講じられている対策」を公衆に知らせることは「必須」であると明記している。OSCおよび地域社会関係担当者は、「全ての該当する公衆および民間の関係者への情報伝達を維持し、対応を通して彼らの関心事を考慮することを確実にすべきである」。これら担当者もまた、共同情報センターを設立することにより該当責任を遂行するため利用できる公務/地域社会関係資源と連係することが求められる。この共同情報センターは、連邦および州機関と担当当事者からの公務資源をまとめて1つの場所に配置する。
公衆とのもう一つの連絡手段はマスメディアを媒介とした連絡である。メディア関係との調整を図り、事件に関する公式の連邦情報を発行するために、OSCは事件現場近くに現地ニュース事務所を設けることもできる。
自然発生バイオレメディエーション剤の人の健康に対する安全性という特定の問題点についての論議は比較的少ないようにみえる。明らかに、毒性物質規制法のもとで規制されている遺伝子工学で作られた生物の使用は論議の的になっている。そのために一部の地域別計画ではその使用を禁止している(上述の項参照)。バイオレメディエーションの論議を呼んでいる問題点は、特定の環境および状況において他の対応方法と比べて有効性が取り上げられる傾向が強い。
流出が「危険物質」を含んでいる場合には、NCPはより広範な、公式の公衆参加手続きを要求する29。指揮機関は(1)地域社会に講じられる対策を知らせるスポークスマンを指名し、(2)問い合わせに応答し、かつ(3)放出に関する情報を提供しなければならない。参加機関によって行われる全てのニュース・リリースまたは声明は、OSCと連係してなされなければならない。スポークスマンは最低限、即影響を被る市民、州および地方の係官に適知し、さらに、該当する場合は、民間防衛または緊急管理機関に通知しなければならない。
27 統一司令部は、FOSC、SOSCおよび流出者から構成され、連係して対応の意思決定を行う。
28 40 CFR(連邦規制基準第40巻)300、附属書E(セクション5.5.4)を参照。
29 40 C.F.R.(連邦規制基準第40巻)パー卜300、415(n)(1)を参照。