システムが仕様書に従って作動していることを検証するために、コンサルタント技術者はバイオレメディエーション・プロジェクトを監視する監視プログラムを化学・生物分析の組合せを用いて作成する。例えば、
技術者はSW-846分析法を用い、石油汚染の低減を監視することもできる25。さらに、技術者は酸素、二酸化炭素、土壌ガス、生物鉱化(微生物生物分解の直接的証拠)、および呼吸率などの生物学的パラメータを測定することを決めてもよい。
現場条件での微生物による生物分解の証拠はふつう、経時的な土壌ガス、二酸化炭素、酸素および汚染物の濃度によつて証明される。時間の経過と共に二酸化炭素濃度が増加するのに対し、酸素および汚染物濃度が減少するならば、石油生物分解速度を推定することができる。しかしながら、炭化水素の消失が、収着、揮発、変換、または希釈などの物理作用ではなく微生物による生物分解に起因することを証明するのは難しい。26
3.1.4 バイオレメディエーション適用に関する住民の意見反映と行政の役割
バイオレメディエーションを使用することの決定に対する公聴会については、水清浄法(CWA)または石油汚染法(OPA)(石油流出への対応を支配する法律)のもとで特定の要求事項はない。しかながら、全国不測事態対応計画(NCP)は決定手順に対する州および地方の関与の幅広い機会を提供する。さらにNCPでは、プログラムにおいて、公衆に情報を伝達し、流出浄化活動のため公衆のインプットを要請することも要求している。
25ガス・クロマトグラフィーによる溶解性の石油残渣または炭化水素の低減を伴う分析手法に基づくバイオレメディエーション試験プログラムは全て、科学的批判を受け易い。その理由は、その他の環境破滅処理法(物理溶解法、薬品洗浄法、揮発法などを含む)は石油の消失に影響または寄与することができるからである。(P.H.Pritchard,Oil Spill Bioremediation: Experiences, Lessons and Results from the EXXON VALDEZ Oil Spill in Alaska, 3 BIODEGRADATION 315 (1992))
26 バイオレメディエーションおよびその有効性を監視する際の複雑さのために、研究者は新しい規範の開発を進めている。例えば、Bruce E.Rittman(ノースウェスターン大学環境工学教授)は、その他の測定の合理的なセットの開発に取り組んでいる。同教授の監視規範では、酸素と二酸化炭素の比率、炭素12と炭素13の比率、および細菌種の様々な量を測定する。
(Stephen Hart, In-Situ Bioremediation: Defining the Limits, 1996 ENVIRONMENTAL SCIENCE & TECHNOLOGY 30:9 398A-401A)流出石油の風化および生物分解の度合いを定量化するために汚染源比率の使用に着手している。(G.S.Douglasら,Environmental Stability of Selected Petroleum Hydrocarbon Source and Weathering Ratios, ENVIRONMENTAL SCIENCE & TECHNOLOGY, 1996 30:7 2332-2339)