揮発性芳香族炭化水索(ベンゼン、トルエン、エテルベンゼン、およびキシレンを含む)は一般に、EPAメソッド8260Bを用いて分析されるが、この方法はガス・クロマトグラフィー/質量分光学(GC/MS)である。また、全石油炭化水素は一般に、炎イオン化検出機能のあるガス・クロマトグラフィー(GC/FID)で分析されるが、この方法はEPAメソッド8015と呼ばれる。TPH法は存在する炭化水素の総量を単一値として測定する。これは現場アセスメントと浄化努力の監視で使用されることが多い。揮発性有機化合物および多環芳香属炭化水素を測定する方法は色々ある。通常は、浄化を観祭する規制機関の代表が現場監視のために使用する方法論を規定する。
3)バイオレメディエーションの監視目標と有効性評価
規制機関の典型的な監視目標は、?@バイオレメディエーションが期待値通り行われていることを証明し、?A汚染プルームが安定していて、かつ(または)封じ込められていることを証明し、?B下り勾配受容槽には影響がないことを確実にし、さらに?C浄化目的が満たされていることを検証することである。
対策の有効性を評価する従来のアプローチは全ての現場を等しく処理することとしてきた。全現場に対し、検出できないレベル、バックグランド・レベルまたはその他の経験的に導き出されたレベルまで改善(レメディエーション)を施す必要がある。このアプローチの欠点を認識して、アメリカ材料試験協会(ASTM)は石油放出現場のために開発された一連のリスク・ベースの改善(レメディエーション)指針を発行した22。23州の規制担当官が石油流出物で汚染された現場に対する一連のリスク・ベースの対策を実施したり、実施を進めている23。
EPAは最近、新しい通達、「スーパーファンド、RCRへ対策、および地下貯蔵タンク現場における監視された自然減衰の使用」24を発行したが、これは自然減衰(受動生物分解)を石油流出の対策とすることを認めている。
(4)バイオレメディエーション処理の有効性の監視
バイオレメディエーション・プログラムを設計し実施する企業の作業範囲には、バイオレメディエーションの有効性のアセスメントを行う監視タスクが含まれよう。該当規制機関と協議した後、コンサルタント技術者は合意された作業範囲に従ってバイオレメディエーションの監視を行う。
22 これら指針は「石油現場で適用されるリスク・ベース対策(RBC)の緊急標準手引き(ES-1739-95)」と呼ばれる。
23 Ronald Begly,Risk-based Remediation Guidelines Take Hold,30 ENVIRONMENTAL SCIENCE & TECHNOLOGY 438A (1996)。
24 OSWER指示9200,4-17は下記アドレスにてインターネットで閲覧できる。
Http://www.epa.gov/OUST/directiv/tranmeml.html