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4)地方および個別対応計画

一般に、連邦法は石油が放出する可能性がある容器または設備の所有者または運用者に対し、最悪のケースを想定した放出に対応する計画の作成を要求している。この計画では、石油または危険物質の最悪のケースを想定した放出に対し可能な最大限度まで対応するために契約またはその他の手段によって十分な資源を確保しておかなければならない。また、州および地方政府の多くも、独自の活動を指導する不測事態対応計画を作成している。これら計画はバイオレメディエーション計画に取り組むもう一つの手段といってよい。

 

3.1.2 バイオレメディエーション技術適用の際の米国の法的制約

(1)米国の法的手続き

米国の法律の2つの重要な規定が、バイオレメディエーションおよびバイオレメディエーション剤の許可および管理の法的手続きを定めている。8

第一に、水清浄法(CWA)のセクション311(d)(2)(F)9は、全国不測事態対応計画(NCP)において、石油・危険物質の識別、封じ込め、分散および除去を行う上で採用する手順および手法について規定することを要求している。この要求事項に適合するために、NCPの附属書Dは、指揮機関が考慮できる、放出改善の適切な対策および方法のリストを提供している。

汚染された土壌、沈澱物または廃棄物で許容される手法は、次の生物処理法タイプを含む。

- 従来の廃水処理手法の改良法による処理

- 嫌気、曝気、および条件的嫌気ラグーン

- 扶養成長生物反応器

- 微生物による生物分解

第二に、水清浄法(CWA)のセクション311(d)(2)(G)は、環境保護庁(EPA)に対し、「分散剤、その他の薬品および他の流出軽減器材・物質の製品一覧表」を作成することを要求している。EPAはこの語句をバイオレメディエーション技術を含むと解釈している。

NCP製品一覧表は次のものを識別しなければならない。

- NCPを実施する上で使用される場合がある軽減物質

 

8 NCPは「バイオレメディエーション剤」を、石油放出物中に慎重に導入し、生物分解速度を大きく増加させて放出物の影響を軽減する微生物培養剤、酵素添加剤、または養分添加剤として定義している。

9 33 U.S.C.(合衆国法典第33巻)1321章(d)(2)(F)。

 

 

 

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