(5)連邦現地コーディネータの責任と権限
大統領は、とりわけ、放出物の「有効かつ即時の除去」を確実にしなければならない4。
大統領は特定の行政庁、主として環境保護庁(EPA)および米国沿岸警備隊(USCC)に対し行政命令によって流出対応の責任を委譲している。これらの庁は特定の地域に対して、流出の発生に先んじて連邦現地コーディネータ(FOSC)を指名している(すなわち、「あらかじめ指名している」)。例えば、沿岸地域の場合は、あらかじめ指名されたFOSCは、該当港湾の湾岸警備隊の隊長、すなわち特定の港湾地域の海洋規制および法律の施行を担当するUSCGの高官である。内陸地域の場合は、EPAが同じ役割の特定の地域係官をあらかじめ指名している。
責任を遂行するに当たり、連邦現地コーディネータ(FOSC)は次のことを行う権眼を持つ。
- 何時でも放出物を直接除去するか、除去のため手配を行う。
- 放出物を除去するための全ての連邦、州、および民間の対策を指示または監視する。
かつ
- 利用できるいかなる手段によっても、放出したり、放出する危険性がある容器を除去し、必要ならば破棄する5。
(6)対応計画文書
また、米国におけるバイオレメディエーションの決定手順を理解するには、法律で規定されている不測事態対応計画の多層制度を理解する必要がある。全国、地方、地域、および個別の4つの層がある。
1)全国不測事態対応計画
流出対応・準備措置の基本的な法的基準および手続きは、EPAによって公布された規制に明記されている。この規制は正式には全国石油危険物質汚染不測事態対応計画(National Oil and Hazardous Substance Pollution Contingency Plan)と呼ばれる。これは簡単に全国不測事態対応計画(National Contingency Plan)、すなわちNCPとも称される。6。
433 U.S.C.(合衆国法典第33巻)1321章(c)(1)。
5アイダホ州
6全国不測事態対応計画(NCP)は40 C.F.R.(連邦規制基準第40巻)パート300(1997年)に記載されている。NCPは、責任の各割当と対応のための組織(サブパートB)、計画と準備(サブパートC)、作戦対応(サブパー卜D)、危険物質対応(サブパートE)、および危険物質対応での州の関与(サブパートF)について扱っている。