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2.2.2 シンガポールの場合

(1)シンガポールのタンカー衝突事故

1997年10月15日、シンガポール海峡でタンカー同士の衝突事故があり、キプロス船籍の「エボイコス(Evoikos)」号から大量のC重油が流出した。この辺りの航路は右側通行で、空船で西に向かっていたタイ船籍の「オラピン・グローバル(Orapin Global)」号が前方を航行中の船舶を追い越そうとして中央分離帯を超えて東航レーンに入り込み、シンガポール船舶交通情報センター(VTIS)の警告を受けて西航レ―ンに戻る途中でシンガポール港に向かっていたエボイコス号の側面に衝突したものである。エボイコス号は12万トンの舶用燃料油(日本のC重油に相当)を積載していたが、衝突で中央部の3つのタンク(総容積29,500トン)が破損し、最終発表で28,463トンが流出した(図2-10)。

なお、この海域では今回の事故現場から2 kmも離れていない場所で1975年1月に日本のVLCC「祥和丸」が座礁して油流出事故を起こしている。

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