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?A上記の結果に対する地域住民の理解を深める。

?B石油に関連した事故が起こった場合の環境への影響や社会的経済的重要性のモニタリングや評価に参加し意見を述べる。

?C管轄地域で起こりうる、実際に起こった環境影響の情報を提供する。

?D影響を少なくする諸対策への意見を述べる。

?E関連する研究開発プロジェクトの選択に参加し、意見を述べる。

?Fその他必要がでてきた活動

OPA 90の指定機関としてのRCACの役割もより住民側のニーズに応える立場になっている他は上記と大差ない。RCACの存在や活動を住民に理解し、受け入れてもらうためにも、単なるアリエスカ社の擁護組織や宣伝広報機関のような御用機関ではないことを強調することが根本的に重要だとして、同社との契約ではRCACの独立性を明記している。契約ではRCACはアリエスカ社から年間少なくとも200万ドルを受け取ることになっており、実際の金額は3年ごとに両者が交渉して決める。これらの額は使い切る必要はなく、決算で剰余金が出れば留保できる。1993年から1996年の間は年間224万ドルで妥結したが、1996年の改定では210万ドルに下がった。

当初、契約の上でRCACのロビー活動には制限があった。住民への広報や組織の独立性を考えると、そのような制限はおかしいということになり、これを緩和する交渉が行われた。アリエスカ社が最もおそれるのはRCAC社の活動が前もって知らされなかったりして見えなくなることであった。そこで手続きをきちんと定めることにより、お互いの信頼関係の中で、できるだけコンセンサスを得るよう努力することで、ロビー活動の制限は除かれることになった。

 

4)RCACの体制

プリンスウィリアムサウンドRCACの理事会は18の組織の代表者からなる19人のメンバーで構成される。その内訳はプリンスウィリアムサウンドの2郡、7市(コルドバ、ホーマー、コジャック、セルドビア、シウォード、バルディーズ、ホイッティア)、2村およびコジャック諸島の村の連合体と原住民地域組織の13の自治体(このうち、バルディーズ市はパイプライン基地の本拠地でもあるので2人)と5つの関連団体(観光、環境、漁業、養殖業、保養施設)である。こららの各組織がその代表者を2年の任期で任命するが、再任は妨げない。
理事会は年に4回開催される。1回は年次総会でエクソンバルディズ号の事故を記念するため3月にバルディーズ市で開かれる。年末の1回はアンカレッジ市で、残りの2回は各自治体の持ち回りである。この他にも予算や長期計画などの審議で随時開かれるが、基本的には5人の理事からなる実行委員会が取り仕切る。実行委員会は全員一致を原則とし、一人でも反対すれば案件を取り下げるか、本理事会に諮るかする。理事会にはほかに9人の連邦および州の関係機関からの代表者が職域メンバーとして出席する。

 

 

 

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