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第2章 海外の重油流出事故時の生物学的環境修復に対する関係者の行動分析

 

2.1 世界の重油流出事故時の生物学的環境修復の状況

2.1.1 米国における生物学的環境修復(バイオレメディエーション)の状況

(1)概況

米国では、石油類の貯蔵タンクや輸送パイプラインからの漏れによる土壌汚染対策などを中心に生物学的環境修復技術(以下本章ではバイオレメディエーションという)が実際に適用されている。汚染対策処理の支払い対象としてスーパーファンド法で認められた革新技術の処理実績でみてみると、バイオレメディエーションで処理された場所は1994年度で現場処理が24個所、現場外処理が37個所、計61個所となっている。その土壌処理量は合計で291万立方ヤードに及んでいる(表2-1)。

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これらの例はEPAが特別に促進しているもので、全体的には比較的小さな部分を占めるにすぎない。米国においては何千というバイオレメディエーション・プロジェクトが実施されてきている。それらの大部分は、嫌気条件下での燃料(炭化水素)の生物分解を必要としているものである。一部では、より困難で複雑な化合物、例えば、トリクロロエチエン(TCE)などは生物分解で好ましい結果が得られている。

 

 

 

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