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1.4 バイオレメディエーションの評価

科学的実験計画手法に基づき実験を行った地域では、それなりの効果が期待されるが、ずさんな方法で実施した地域では、効果不明あるいは逆効果の可能性もある。また、バイオレメディエーションに対する関係機関の認識のばらつきが大きく、実験者相互の情報交流もほとんどないのも事実である。以下では、それらのうち、兵庫県香住町と京都府網野町での事例を紹介する。

 

1.4.1 兵庫県香住町におけるバイオレメディエーション実験

兵庫県香住町の海岸には、1月9日に重油が漂着した。香住町は全国でも屈指の松葉カニ水揚げ漁港を持ち、重油汚染の影響が心配された。

全国からのボランティアが重油除去作業に従事する中、柴山港漁協に出入りしている地元業者が米国オッペンハイマー博士が開発したバイオ処理剤を持ち込んできた。当時は、現場では漂着した重油の処理に追われており、重油被害より悪いものではないとの漁協組合長の判断からバイオ試験散布を許可した。岩場にへばりついた重油がはがれるなど顕著な効果が見られた。

2月5日〜9日に、米国からオッペンハイマー博士が来訪。香住町対策本部、海上保安署などが立会いのもと公開実験を行った。

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