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II 生物相・生物資源生産

 

1. 塩性群落

塩類を含んだ土地で生育できる植物、海岸の塩性湿地などで生育する植物の群落をいい、大阪湾沿岸域ではシバナの塩性植物群落が湾南部でのみ見られる。

由良地区(成ヶ島沿岸)は砂泥質の干潟が広がり、アシ原やハマボウ.ハママツナなどの塩沼植生の分布を見ることができる。

友ヶ島には、約500種類もの植物が茂っている。また、天然記念物として保護されているテツホシダや食虫植物のタムキモなど珍しいものが多く、自然のまま残された植物の宝庫となっている。

 

〔ハマボウ塩性植物群落〕

 

ハマボウはアオイ科の多年草で南紀にも大きな群落はあるが、淡路島のものは九州以北では最大規模の群落と考えられる。

樹高1〜2mの落葉低木で、5cmほどの淡黄色の目立つ花をつける。

 

テツホシダは近畿地方でも紀伊半島の南部でしか見ることができず、友ヶ島が最北といわれている。

 

ハマヒサカキは暖かい地方の海岸に生える常緑低木で葉の長さは3cmぐらいのだ円形で厚く、ふちは裏側へ少し巻き込んでいる。

 

[専門家連絡先] 大阪市立自然史博物館 主任学芸員 山西良平氏 06-697-6221

【資料】 *「大阪湾の自然」 大阪市立自然史博物館

*「兵庫県の貴重な自然」 兵庫県レッドデーターブック 1995年

*「友ヶ島自然観察ガイド」 和歌山県観光課 1996年

 

2. 哺乳類

 

大阪湾沿岸海域には極稀に迷い込む小型クジラ以外に生息する哺乳類は存在しない。

 

 

 

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