9.2バラスト水管理選択
9.2.1 バラスト水交換
沿岸付近(港及び河口部を含む。)の生物が外洋に放出された場合,また,外洋性生物が沿岸域で放出された場合,通常,これらの生物は生き残れない。
洋上におけるバラスト水交換時には,付録2に列記されているバラスト水交換の安全性に係るガイダンスを考慮しなければならない。
さらにまた,以下の措置を推奨する
- 実施可能な場合,バラスト水交換は,開放的外洋,かつ,できる限り陸岸から離れた海域で実施しなければならない。
当該実施が不可能な場合,とりわけ陸岸から200海里以内の海域においては,地域内協定の範囲で策定された要件を運用することができる。
前述第9.1.2に関連して,バラスト水のすべては,吸引力がなくなるまで,排出しなければならず,可能な場合,ストリッピングポンプ又はエダクターを使用しなければならない。
- 開放性外洋において,タンク又は船倉にバラスト水を漲水し,かつ,当該バラスト水をオーバーフローさせる貫流方式を採用する場合,少なくともタンク容量の3倍の水量をボンプ漲水しなければならない。
- 開放性外洋において,これら両方式のいずれもが実施できない場合,寄港国が指定する区域においてバラスト水交換を実施することができる。
- 寄港国が承認するバラスト水交換以外の代替方式
9.2.2 バラスト水の非放出又は最小限度の放出
バラスト水交換又はその他の代替処理方法実施が不可能な場合,バラスト水をタンク又は船倉内に保持することができる。
保持することが不可能な船舶の場合,バラスト水排出は,寄港国の緊急時対応戦略に従った,どうしても必要な最小量の排出としなければならない。
9.2.3 受入施設への排出
寄港国がバラスト水/沈殿物のための受入施設を提供し,当該施設が適切なものである場合,当該施設を利用しなければならない。
9.2.4 新興かつ新規の技術及び処理法
9.2.4.1 新規かつ新興の,適切な処理法及び科学技術の実用性が証明された場合,これらを現行の選択肢の代替方策とするか,あるいは現行選択肢と併用することができる。
これらの処理法には,熱管理,ろ過法,紫外線照射等消毒並びに寄港国が容認するその他の方法がある。
9.2.4.2 新たなバラスト水管理技術及び関連制御設備の適用性及び有効性についての成果を,評価及び本ガイドラインヘの適切な編入を目的として,機関に通知しなければならない。