MEPC 41/9
ANNEX 2
有害水生生物・病原体の移動を最小化する
船舶バラスト水制御・管理規則実施のためのガイドライン(仮訳)
1 序文
1.1 数カ国で実施された研究によれば,多くの細菌,植物及び動物の種族が,船舶で運搬されるバラスト水及び沈殿物の中で,数週間の航海の後でさえも生き延びることができることが判明している。
寄港国水域へのバラスト水又は沈殿物排出の結果として,既存の生態学的均衡を著しく破壊する有害な種族が定着することになる。
他の媒体による地理学的に離れた水域間の生物の移動もいくつか確認されてはいるが,なかでも船舶のバラスト水排出による移動が突出している。
ビールス,バクテリア及び他の有害な生物を含む大量のバラスト水の排出が,寄港国水域への病気の導入を招き,結果として,土着の,人間,動物及び植物の生命並びに海洋環境の健康・保全に対して脅威となっている。
1.2 バラスト水排出が被害を及ぼす可能性はIMOのみならずWHOもまた認識している。WHOは,伝染病バクテリアの拡散媒体としてのバラスト水の役割に関しても懸念している
1.3 本ガイドラインは,これらの問題についての解決策というものではない。
正しく適用された場合の本ガイドラインの各項目は,バラスト水排出に関連する危険性の,最小化促進手段とみなすべきものである。
本ガイドラインは,科学的かつ技術的な進歩により,当該危険性により適切に対応できるように改善されるものである。
その間は,寄港国,旗国及びこの問題の軽減に寄与できる人々は,相当な注意及び適当な努力をもって,できる限り本ガイドラインに従うことに,全力を注がなければならない。
1.4 危険性最小化のための適切な方法の選択は,対象となる生物の種類,関連する危険の程度,環境的受容性,経済及び生態学関連の費用並びに船舶の安全性等,いくつかの要因にかかっている。