バラスト水の交換(リバラスト)である。
・一部の国では、一方的な規制を導入しているが、このような措置は、世界中を航行する船舶に対して多大な悪影響を及ぼす。
?リバラスト代替手段について
・システムとしては、陸上システムよりも船上システムの方がより柔軟に対応できる。しかし、船上システムでは、バラスト水の排出量が大きいこと,セディメントの存在等を考慮する必要がある。
・継続的なバラストタンクの洗浄は、代替手段として有効と考えられるが、すべての船舶/航路では有効なものとならない。
・有効な技術としては、物理的に有害生物を分離する技術(フィルタリング)と思われ、継続的に逆洗できるフィルタリングが、環境,安全,有効および経済性の面で望ましい候補にあげられる。
・化学的処理,熱処理,電気的処理は、代替手段となる可能性があるが、さらなる検証が必要で、実船に適用するまでには、技術的にリスクが大きく、開発コストも膨大なものになろう。
・紫外線処理,音波処理,磁気処理および脱酸素処理は、陸上レベルでは成功しているが、各種海洋生物に対する有効性(特に船上での)は未確認である。
?バラスト水管理方策に関する課題
・有害種侵入に関する危険レベルの判断が難しい。どのレベルまで有害種を排除するのか、特定の処理が有効であることを判断するためにどの様な基準を使用するのかなどの疑問に答えるには、危険性を評価するための包括的なデータベースが必要であろう。
・バラスト水規制にあたっては、検証手段が必要となる。検証の対象となるバラスト水漲水海域および船内バラスト水の継続したサンプル採取やモニタリング方法は、乗組員の負担にならないような自動化技術の開発が望まれる。
・バラスト水の検査サンプルは、管理当局に送付する方法が提案されている。この提案の実施には、慎重なサンプル採取と検査機関の整備が必要である。
・現状では、バラス水中に海洋性生物が存在するかどうかを直接測定する方法として「濁り」を調べる方法が最も効果的である。