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公開する企業数がそう多くは期待できないこと、一方、安全衛生情報については利害関係が低いことから収集が容易という意見が付記された。

?労務の相互援助システムについて

建前としては望ましいが、現実的には非常に困難であるとする否定的な見方・意見が大勢を占めた。また、一部の企業では、親企業の斡旋で実施し失敗した経験や多くの課題が存在したことなども報告された。一方、やるだけやって見て、改善を考えて行けば良いとする意見もあった。

具体的な問題点としては、地域による工賃格差、宿泊費・交通費の負担などや、近距離では出向者の引き抜きの可能性などが指摘された。

また、加盟企業間での労務の相互援助を実現するためには、労務の相互援助システム構築以前の課題として、企業間の信頼関係の醸成、視企業の理解促進、引き抜き防止のための紳士協定の締結などの対策や環境を整えることの必要性が指摘された。

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(4)意見・要望

?日造協の活動について

業況低迷が続いた結果であろうが、地方の支部活動は色々困難な問題を抱えている。一部では造船事業そのものが消滅しており、支部組織の見直しも必要との意見もあった。

組合所属企業の業種・業態が多岐に分かれており、企業規模の格差も大きいため、全部を一緒にして一つの団体に束ねることの難しさや疑問の声もいくつかあった。しかし、一方で他の業界団体にはない雑多なまとまりといった良さも認められている。

造船不況以来、大手造船会社自身が非造船部門に注力し、造船事業の比率が減少しているが、日造協加盟の組合員企業もまた、非造船分野への多角化を図らざるを得なくなっており、結果として、親子企業ともに陸上部門のみとなっている例もある。好むと好まざるとにかかわらず、脱造船傾向が強まって行く中で、日造協の存続がどうなって行くのか、将来に漠然とした不安を感じている企業も多いようである。

 

 

 

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