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あり、サービスメニュー構成、提示される情報の内容など参考になる点は多い。

?商工組合中央金庫「ユース会ネットワーク」

商工中金が創立60周年を機に、顧客サービスの一環として開始した。顧客サービスの1つとして無料であるが、狙いは、顧客、特に若手経営者との親密化・密着化にあり、金融ビックバンを迎え業界内競争激化に伴う顧客離れ防止策にあるとも推測される。また、顧客間の交流を促進させることで、顧客企業間の新規取引の発生や将来的には新規事業の育成までに繋がることを期待していると思われる。

詳細は不明であるが、電子メール、電子掲示板、会員用ホームページなどのサービスがあり、インターネットによる利用も可能となっているようである。

企業間交流の促進ツールとして、パソコン通信やインターネットが気軽に(事業としては考えていない)、かつまた戦略的に利用されている点が注目されよう。

?第3セクターによる地場産業活性化策「O-net」

大田区と地元産業界の出資からなる第3セクター0-netは、区内企業の受発注の活性化のために、パソコン通信によって、区内製造業約7000社の情報を提供する。

企業の検索は、業種、従業員数、設備などのいわゆる一般的な企業概要情報だけでなく、独自に調査して得られた、得意先地域や外注先地域、得意分野(詳細)、規格精度、共同研究・製品開発・共同受注などの交流に関する希望、求人に関する情報、自己PRなど、仕事の受発注、求・就職、人、企業交流を促進させるために工夫された情報が掲載されている。

様々なトラブルやリスクを避けるために、パソコン通信上では直接的な仲介・斡旋はせず、企業の詳細情報を提供する事だけに留めている点、かつまた、掲載情報の内容に工夫を凝らすことで、仕事の受発注、求・就職、人、企業交流を促進させようと努めている点が参考になる。

?都中小企業情報センター「中小企業総合情報システム」

「中小企業総合情報システム」は、中小企業の受発注取引の拡大、経営の向上を図るために、パソコン通信によって、企業情報、受発注情報等を提供する。都並びに中小企業庁による補助事業のため利用は無料である。

会員制・非公開であるため、内容の詳細は不明であるが、最近、サービスメニューに都内全域の賃貸工場・空工場情報が追加され、貸し手を探すための物件の検索照会や借り手を探すための物件の情報登録ができるようになった。

パソコン通信という閉じられたネットワークであるが、工場や機械設備等についての中長期の賃貸仲介・斡旋あるいは登録・照会システムの運用例として参考になる。

?商用パソコン通信「ニフティサーブ」の法人利用

大手商用パソコン通信「ニフティサーブ」には、法人会員向け利用サービスとして、CUG(クローズドユーザーグループ)とPS(プライベートサービス)を提供している。ともに、契約企業の従業員など、特定の人のみが利用できるようしたもの。既存のパソコン通信網を利用するために、契約(登録)さえすれば、すぐに、しかも安価に情報ネットワークが構築できる。そのため、利用する中小企業も多い。97年9月

 

 

 

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