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→点検時緩みを発見したら、その程度によっては、ボルトが伸びている恐れがあるので新品に交換する方が良い。尚締め付けは取扱い説明書など整備基準に従って確実に締め付けること。

→隣接する主軸受けメタルが強度の片当り、あるいは偏摩耗している場合はクランク軸にすでに過大な曲げ力が加わっているので、クランク軸を磁探又はカラーチェックにてクラックの有無と曲がりをチェックし、異常のないことを確認することが重要である。

 

4)ピストン

(1)ピストン冷却不良によるピストントラブル

→最近の小形高速高出力機関に採用されているアルミピストンは、大半が3・15図に示す冷却空洞付ピストンで、シリンダのオイル主管に設けられた固定ジェットからのオイルを冷却空洞に導き冷却されている。

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→潤滑油の汚れ、あるいは油中のゴミにより、ノズルが詰ったり、又、分解整備時に固定ジェットの位置、ノズルの方向を曲げたりすると、オイルによるピストン冷却が出来なくなり、種々のトラブルをひきおこす。その一例を3・16図、3・17図に示すように、ピストンライナの焼付、ピストン頂面のクラックなどにつながっていくため、分解整備時には十分注意を払う必要がある。

 

 

 

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