これらを見るとわが国の情報通信メディアに対する先行きは暗いと悲観的な見方もできる。しかし一方でわが国のWWW利用者は今年3月から9月までの半年間で約350万人から555万人と約6割も増加しているという調査結果もある16。
一方でパソコンが売れず、もう一方でネット利用者が増えている事実についてどのように考えればよいだろうか。
「パソコンはどう工夫しても普及率は40パーセントがいいところだろう。」(オランダの総合家電メーカー・フィリップス社)という意見がきかれる。
米国家庭におけるパソコン普及率はほぼ40パーセントに達したが、在宅勤務の定着など米国固有の事情もある。
パソコンがテレビやビデオ・デッキのように家庭に普及し、それらをあてにした家庭向けディジタル・サービスが普及するというのは、いまや米国においても楽観的シナリオになりつつある。
一方でネットワーク利用に目をむけると、娯楽や趣味をテーマとするホームページには、週末や夜間よりも平日のアクセスが多いものもある。ネットにアクセスしてWWWのコンテンツを楽しむだけなら、休憩時間に職場や学校のパソコンを使えばよい、パソコンを買うまでのことはない、ということと思われる。
今後ネットワークでの情報提供を考えるとき、従来のパソコンを超えて、携帯情報機器や情報家電のようなものを視野にいれるべきというマイクロソフトのねらいはまさにここにある。
わが国では携帯情報機器の出荷は個人購入分で121万台に達した。
携帯情報端末市場全体ではシャープのザウルスが前年度比30パーセント増の43万台を出荷する見込みだが、一方で後発のハンドヘルドPCも第2四半期の6.3パーセントから第3四半期の11.7パーセントと着実にシェアを伸ばしている17。
ネットワーク対応の情報家電機器においても、ソニー、松下電器等わが国の家電メーカーとマイクロソフト社の関係が今後も注目される。
情報提供者(ウェブ・サイト提供者やコンテンツ提供者)にとり、パソコンから