2.7 個別分野における示唆
前々節(2.5)で提示した今後の鍵を握る重要技術要素の整理に基づくと、「情報通信サービス」を構成する三要素(分野)毎に下記のような事業への取り組みが必要になると思われる。
(1) コンテンツ充実分野について
コンテンツ充実分野において求められることは、競艇の世界を広げる情報を開発することにより、競艇の理念(「いつでも、どこでも、面白い競走」)の「面白さ」の推進である。
コンテンツであるファンに提供される情報は、場内の情報提供システムや予想紙等において入手可能なものもあれば、情報メディアでのみ入手可能なものもある。
今後は後者を拡充することがますます重要となる。
●初心者・未経験者向けのコンテンツ開発
競艇ビギナーや競艇未体験層を引き付けるようなコンテンツや、競艇に慣れ親しんでもらうためのガイドを拡充する。
●レース映像のオンデマンド配信ライブラリ
過去に行われたレースの映像をインターネット上の専用コンピューターに蓄積し提供する。これまでのレース中のライブ(実況)中継とは異なり、利用者が見たいときにインターネットにアクセスして見たいシーンを視聴することができる。
(2) 情報配信手段開発分野について
情報配信においては、既に場内等で提供されている情報を新たな情報配信手段で異なる場所の利用者に届けるのがポイントとなる。いわば競艇の理念の中から、「いつでも、どこでも」を拡充することである。
該当分野の重要技術要素を考慮すると、プッシュ型サービスなど、コンテンツに適した情報配信手段が期待される。