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(4)提供情報と表現技術

?文字情報のマルチメディア型情報化

従来、文字で提供されてきた情報を、どのようにマルチメディア化すれば、理解を容易にするとともに利用者に対しより強いアピールと動機付けが可能になるか、本調査において行った自治体ホームページの構成の分析の中から具体的な事例をあげれば、

ア)地図によるインターフェース

地図をインターフェースとする観光スポット情報の提供は、位置関係等が直観的に把握できる

イ)動画像によるイベント紹介

イベント等の紹介は動画像を提供することによって、雰囲気等も理解することができる(草津町の事例)。

ウ)音声による民謡の紹介(草津町の事例)。

地元の民謡を画面では楽譜や歌詞を表示し、音声を流す。

等が効果的であると考えられる。

いずれも、イベントの「動き」や民謡の「声」等、対象の持つ本来の姿をマルチメディア型情報によって再現することで、より具体的で直観的な理解を可能にしている。ただし、インターネットの現状、特に回線速度等のインフラが未成熟であることを考慮すると、データ量の大きい動画像や音声の扱いは利用者からみて利便性が低いことも考えられるので十分な検討が必要となろう。

?動態情報の重視

利用者から見て全体として動態情報へのニーズが高いのに対して、実際に自治体のホームページ等で提供されている情報の大半は静態情報であるのが実情であるが、たとえば草津町のホームページの事例を見ると、開花情報等を中心にして動態情報の提供が行われている。動態情報を充実させるにあたって、自然関連の動態情報の収集・提供は基本的な要素となる。

2 システムの構成要素

(1)インターネット上の観光情報の総合的なディレクトリの開設

?インターネット上での観光情報提供のありかた

インターネット上の情報のメリットは「旅行エージェント、書店、観光案内所等に行かなくとも情報が手に入る」ことだと一般消費者は考えている(図3-4)。反面、既にインターネットを利用しているマルチメディアユーザーは「情報を探し出すのに手間がかかる」、「情報が少ない」、「情報の評価ができない」と考えている(図3-11)。

これらの点を含めて、インターネット上での望ましい観光情報のありかたは下記の3つの条件を満たすものとなろう。

ア)情報が一ヵ所に集約されている。

イ)必要な情報を素早く探し出す手段が提供されている。

ウ)情報に一定の評価が与えられていて判断材料になる。

 

 

 

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