とである。
?POPAIの基本的な活動
POPAIの基本的な活動は気象観測データの提供で、日光市内の7つの気象観測拠点で毎日朝9時と午後1時の2回、天気・気温・湿度を測定する。これにエリア内の主要な道路区間(湯元〜菖蒲が浜、中禅寺湖畔〜いろは坂、霧降ノ滝〜霧降高原)の渋滞状況、華厳の滝の流水量、中禅寺湖の水位、奥日光の5拠点及び門前/霧降/小来川の5拠点の自然情報、開花等)、行事・祭事等の情報を「今日の話題」と合わせてA4判1ページにまとめている。
?気象観測の方法
気象観測には観測拠点(エリア内の会員の旅館、タクシー営業所等)に置いた通常の温度計を用いている。特に厳密な方法での測定を行っているわけではなくいわば観光の目安としての気象情報という考え方である。
?情報の収集と発信
これらの情報は毎日朝9時と午後1時の2回、日光観光協会から各拠点に電話で問い合わせをして観光協会でとりまとめ、所定の書式で同市のファックス情報システムに情報を提供し、同時に全国30箇所にファックスで同報している。
ファックス同報先は「そこから二次的な情報発信が期待される機関」を選んでいる。
?情報の蓄積と再利用
集められた情報は紙のかたちでファイリングした上でワープロ等で電子データにする。これらを1年分をまとめて報告書として発行している。
?観光産業から見た気象情報のニーズ
日光は日光市街から奥日光まで観光エリアが細長く距離があり、かつ標高差があって気象条件も異なっている。特に奥日光は山岳性の気象条件を備えている。このため、日光市内が雨でも奥日光では晴れているといった場合も少なくなく、日光エリアの地域的な気象情報は観光業にとって重要な情報となっている。
POPAIがまず気象情報を取り上げたのもこのような地域特性が背景にあったとのことである。
?POPAIと日光観光協会の関係
POPAIは任意団体であり、その観測業務はボランティア活動として行われていて資金援助等は受けていない。メンバーの中に日光観光協会職員がおり、両者のコーディネート役を果たしている。観光協会は資金面以外での無形の支援を行っていると見た方がいいだろう。
?活動の背景
メンバーの共通認識は「日光はこのままではダメだ」という危機感であった。ピーク時は200万人を数えた東照宮への観光客も160〜170万人程度に減り、宿泊客も減少している。恵まれた観光地であった日光を危機意識とともに見直した結果、行動として出てきたのが「気象情報を毎日2度提供し続ける」というPOPAIの活動であった。