群馬県北部の市町村の情報を集めてホームページを構成している。情報内容はペンションの情報等営利的なものと非営利の情報の双方を含み、営利的なコンテンツは有料で掲載されており、非営利の部分は運営会社が情報収集し提供している。
?情報の収集と発信
同社はデザイン会社であり、DTPによる観光パンフレット等の制作が主体である。これらのクライアントがホームページの主な顧客となっている。
スキー情報等は各スキー場からファックスまたは電子メールで届き、これを毎日更新して掲載している。
?観光産業から見たホームページのニーズ
同社が位置する沼田市は北群馬各市町村への物流の拠点であり、情報流通の拠点でもある。印刷業等も同市が中心となっている。パンフレット制作のニーズから派生してホームページ制作を各観光業者に提案し、総合的なホームページを構成しており、同社はいわば地域情報のコーディネーターとして機能している。観光業者がまとまって情報提供する場をつくり出したことで、情報の提供側にも一般消費者にもメリットが生まれている。
?「北群馬観光情報館」と各自治体の関係
自治体は発注したり補助金等を出しているわけではないが、情報を提供する等して支援している。今後、地域情報の集約・提供に関して関係が拡大する可能性を持っていると考えられる。
?活動の背景
北群馬に限らず、エリアの情報を集約して構成するコーディネーターは出て来にくいのが実情である。逆にいえば、うまくエリア情報を束ねてホームページを構築できれば、その地域で無二の存在となることができる。その意味で、同社は最初にこの地域でのコーディネーターとしての「創業者利益」を狙っているとも言えよう。
?「北群馬観光情報館」の行動原理
ホームページの位置付けは「観光情報のデータベース」だとのことである。「北群馬観光情報館」はその運営会社が明示されていないことでも分かるように、運営会社のPRを特に目的としていない。
むしろエリア情報そのものを集積しようとしているようである。
情報収集についても、特に目前の利益のためでなく、ボランティア的な側面も持っている。ただし最終的にはホームページ上の情報を増やすことでホームページの価値を高めようとしているわけであり、長期的に見ると企業活動として矛盾していないと考えられる。
?「北群馬観光情報館」のこれから
「北群馬観光情報館」のこれからは、基本的に情報を増やし、そこに参加希望者が増えていくという良い循環を期待しているようである。