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【デジタルスチルカメラ】

デジタルスチルカメラの市場は急速に立ち上がったが、その最初のニーズはパソコン用の画像入力装置であった。テジタルデー夕を取り込む機器として、パソコンやコンピュータネットワークとの親和性が高く、現場の画像情報をいち早く収集・発信するツールとして報道にも用いられている。

■現時点での基本性能

標準的な焦点距離を持つCCD撮像素子(27万なし130万画素程度)、内蔵メモリ1〜8MB程度、コンパクトフラッシュ(※)等の、リムーバブルな記憶媒体、独自形式か或いはJPEG(※)形式でのデータ保存機能、パソコンとの接続端子、NTSC信号(※)出力による家庭用テレビでの画像表示、撮影用のファインダーかファインダー代わりの液晶モニター(撮影後の画像表示を兼ねる)を装備している。

■価格動向

実売価格1万円台の普及型から、業務用の100万円以上のものまであるが、一般消費者向けのものは10万円台が上限である。画素数が少ないもの(30数万画素以下)は低価格化が進展している。1997年末には81万画素クラスのものが10万円台で登場した。

■普及台数及び普及の見通し

1996年の出荷台数100万台(前年比769.2%)、販売額583億円(前年比626.9%)。

■機器特性

○撮ってすぐ見られる、失敗したらその場で消せる、フィルム代が不要といった気楽さが(コンパクトカメラ代替の可能性を秘める)がある。

○ケーブルや赤外線等によりデータ交換が容易なため、パソコンとの親和性が高い。また、パソコンの画像入力機器として持ち歩き可能で現場での画像入力(=撮影)が可能である。この点で固定型スキャナ等とは全く別の画像入力機器である。

○撮った画像データを通信によって送信可能(デジタルデータのメリット)である。

■方向性(技術面)

○高機能機種において画素数の増加、内蔵メモリの増大が進む。

○低価格機種において機能の絞り込み、小型化が進む。

■方向性(市場面)

○市場の拡大に伴い、低価格機種、高機能機種が登場。市場のセグメンテーソョンが進んでいる。全体としては画素数の多いモデルへの需要が高まる傾向にある。

○パソコンとの連携によるインターネットのホームページ制作のニーズが先行したが、コンパクトカメラ代替を狙う家庭用ニーズの掘り起こし戦略が台頭する。

○機能の多様化・価格帯の広がり・高機能機種の投入が進行する。

 

 

 

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