【携帯電話・PHS】
連続的な加入料金・基本料金・通話料金の引下げと、販売奨励金による端末価格の下落により、市場が爆発的に拡大した。利用形態は、比較的短時間の音声による通話が一般的であるものの、今後モバイルコンピューティングの拡大に伴って、データ通信の需要が増加すると思われる。また通信速度の高速化に伴って、端末自体もマルチメディア端末として高機能化していく方向にある。
■現時点での基本性能
高速移動中の通話(携帯電話)、データ通信機能、通話記録、電話帳機能がある。
■価格動向
端末価格は、販売奨励金の影響で急速に下落している。
加入料金・月間基本料金も下げを繰り返している。
■普及台数及び普及の見通し
携帯電話は、1997年3月で契約件数2,088万件(速報値)。1996年9月では契約件数1,531万件(前年比229.5%)となっているが、特にデジタル対応のものが増加している。PHSは1997年3月で契約件数が603万件(速報値)と、普及は頭打ち状態となっている。
■メディア特性
〇サービスエリア内ではどの場所でも通話が可能。特に携帯電話は高速での移動中でも通話可能である。
〇PHSでは地下街・ビル内等通常携帯電話での通話が困難な場所でもアンテナ設置が容易なために通話可能な場所が多い。
〇持ち歩きが容易な小型端末である。
〇パソコンと接続してインターネット接続等が可能である。
■方向性(技術面)
〇より高速なデータ通信の提供が検討されている。PHSではPIAFS(※)手順により32Kbps(実効29.2Kbps)のデータ通信サービスが提供されているが64Kbpsも提供準備中。携帯電話でもパケット方式による28.8Kbpsのデータ通信サービスが開始された。
〇W-CDMA等の新規格により、2Mbps程度の高速通信やWWWにアクセスできる画面付携帯電話端末等、高速でマルチメディア情報にアクセスできるネットワーク及び通信端末の開発が進行中である。
■方向性(市場面)
〇携帯電話では、通話料金の低下による利用者の大幅な増加が見込まれる。
〇より高速なデータ通信環境の提供によりモバイルコンピューティングが促進される。