【カーナビゲーションシステム】
車載のマルチメディアシステムの中核となる可能性が高い。道路交通に関する長期的な課題として自動運転技術の確立があり、最終的にはカーナビゲーションシステムもこの方向に沿った「自動車のインテリジェント化」の流れの中でより高度化していくと予想される。
■現時点での基本性能
小型液晶モニターの表示部にCD-ROMに書き込まれた地図情報等を表示し、これに加えてGPS(※)システムと慣性航法の併用により自分の車の位置を表示する。
1996年4月からは首都圏でVICS(Vehicle Information and Communication System)(※)による道路交通混雑情報の提供が開始された。VICSはFM多重放送、光ビーコンや電波ビーコン等により受信した情報(渋滞情報、交通規制情報等)をレベル1(文字)レベル2(簡易図形)レベル3(地図表示)の3つのレベルで表示するシステムである。
■価格動向
高性能機種は20万円前後。
■普及台数及び普及の見通し
1995年の出荷台数52万台。1996年の出荷台数78万台(前年比152.9%)。販売額1,404億円(同180%)。VICS3対応機種の人気が高い(16万台)。
■機器特性
〇カーナビゲーションは基本的には地図上での自分の位置を表示するシステムであり、「位置」に関係する各種情報を画面上に表示するのが一般的な使われ方である。これを拡大すると運転に関わる情報のみならず地域情報への広がりを見せることになる。
■方向性(技術面)
〇GIS(Graphics lnformation System)をベースにVICSに対応。これに加えて経路検索や施設情報(コンビニ、ガソリンスタンド等)、詳細地図表示等もサポートされ、より精密化・現実化された表示技術が進展している。また、インターネットへの接続も可能になり、今後は電子メール等の機能が追加される方向にある。
〇将来的には自動運転システムとも統合されてより高度な情報端末となって行く方向にある。
〇車載の媒体としてはCD-ROMに代わってDVDを採用する方向にある。
■方向性(市場面)
〇消費者ニーズは、より高機能の製品へとシフトしている。
〇提供情報は生活情報、イベント、気象等へ拡大していく方向にある。