【インターネットTV】
インターネット家電と称される家庭向けインターネット端末の1つ。TVにネットワーク機能を付加することにより、家庭における標準的な情報機器としての位置付けを狙っている。通常のTVに接続するセットトップボックス(※)も登場してきた。
■現時点での基本性能
21ないし28インチ程度のワイド型TVの基本性能に加えて、ハード面では内蔵メモリ(2MB程度)・内蔵モデム(※)(14.4Kbps(※)ないし28.8Kbps程度)、ソフト面では専用ブラウザ(HTML2.0準拠)・電子メール送受信機能・文字入力機能(ソフトーボード)等を装備している。セットトップ型は1997年12月にソニーが発売した。
■価格動向
21インチ115,000円、28インチ270,000円、32インチ330,000円程度。ソニーのセットトップボックス型は45,000円。
■普及台数及び普及の見通し
1996年で出荷台数2000台、6億円程度。販売額は小さいが、次第に普及していくと予想される。
■機器特性
〇TV放送との親和性が高く、TVとインターネットが同時に楽しめる。
〇個人的なインターネットアクセスではなく「家族等とのグループでのアクセス」という新しいネットワーク環境を提供する。
〇TVの形態をとり、インターネット関連の機能をすべて最初から内蔵しているのでとっつきやすいため、機械に「弱い」消費者にも受け入れられる。
■方向性(技術面)
〇インターネット関連のハード・ソフトを全て内蔵し、セットアップの手間を省くとともに、機能を絞り込んでいる。
〇TV番組とインターネットとの連携の強化として、TV波の隙間を利用して送られてくる信号を受け、関連するWWWにジャンプする等の機能が充実する。
〇双方向TV、オンデマンド型情報サービス、電子商取引(オンラインショッピング)等の利用への展開が図られる。
■方向性(市場面)
〇家電メーカー・パソコンメーカー双方にとって相手方の市場への参入のきっかけとなる。
〇TVとインターネットの融合型製品として、家庭のリビングでの利用を想定できるため、家庭における通常のインターネット利用の形態である個人の居室での利用とは別のニーズを掘り起こすものとみられる。
〇現状では想定される消費者に対して的確な売場設定ができていないため、インターネットを知らない層に対する的確なマーケティングが求められる。
〇市場としては急速に立ち上がる可能性は低く、長期的に育っていくと思われる。