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(2)通信端末

【パソコン】

近年画像・音声等の処理が容易になり、いわゆる「マルチメディアパソコン」が一般化するとともに、インターネットやパソコン通信への接続機能が標準となった。マルチメディア情報を扱うプラットフォームとしての役割を果たすと同時に、ネットワークへの接続によって社会の情報化・ネットワーク化のための最重要機器のひとつと位置付けられる。

■現時点での基本性能

200MHz前後のインテル系CPU(※)、容量1GB以上のハードディスク(※)、20倍速程度のCD-ROMドライブ(※)、33,600bps 程度のモデム、32MB以上のメインメモリ、キーボード、マウス、スピーカーを装備し、Windows3.1/95をOS(※)とするマルチメディア型が主流である。WWW(※)ブラウザ(※)、パソコン通信ソフトも標準的な装備となっている。モニターはCRT(※)が主流だがデスクトップの液晶タイプも増えてきている。

■価格動向

パソコンの平均出荷価格は、ここ数年上昇を続けたが、1996年の企業用30万円強、家庭用25万円強をピークに低下傾向に転ずるものと見られる。2000年には企業用25万円弱、家庭用20万円弱にまで低下するという予測もある。

■普及台数及び普及の見通し

1996年のパソコン市場は、推計719.2万台、販売額1兆7,506億円(前年比125.8%)。1997年に入って個人需要が低迷したが、一方、企業のニーズは相変わらず強いという状況が続いている。

■機器特性

〇マルチメディア情報の収集、処理、発信において中心的な役割を担う。

〇インターネットを始めとする情報サービスに対応する標準的なネットワーク端末として位置付けられる。

〇アプリケーションソフトと周辺機器の組み合わせで多くの用途に対応する。

〇操作が簡単になる方向にあるが、使いこなすのが難しい部分も少なくなく、消費者向け製品としては未成熟な部分を残している。

■方向性(技術面)

〇巨大化するアプリケーションに対応してCPUの更なる高速化、内蔵ハードディスクの大容量化が進んでいる。一部ではDVD(※)互換ドライブの搭載が始まった。マルチメディアに対応した諸機能の充実が図られている。

〇ノートパソコンは軽量化よりも企業内のデスクトップパソコンの代替を指向し、高性能化を優先してきたが、一方で常時携帯できる重さ1キロ以下のノートパソコンも登場してきている。

■方向性(市場面)

〇企業向け市場は好調であるが、家庭向けは低迷しており、メーカーにとっては薄利多売の安売り競争が続いている。

〇1,000ドル程度のより低価格の製品を投入しようとする動きもある。

 

 

 

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