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に利用されている。このためには、マイクロ波高度計自身の精度のみならず、基準となる飛翔体の軌道およびジオイド高の正確な測定が必要となる。

アルティメトリ(altimetry)の原理を図2.12に示す。地表面あるいは、海面の凹凸は準拠楕円体面(reference ellipsoidまたはspheroid)からの高さとして求められ、この高さを海面高度(sea surface height: HSSH)と言う。衛星の高度(satellite height: Hs)は準拠楕円面よりあたえられるから、この値から飛翔体より測定された海面までの距離(Ha)を引くことに海面高度が求められる。

HSSH=Hs-Ha  (2.5)

海面高度(HSSH)には、ジオイド面と準拠楕円体面との距離であるジオイド高(Hg)および、海流、波高、潮流のような海洋力学過程によって生じた海面トポグラフィー(△H)が含まれており、次式の関係がある。

HSSH=Hg+△H  (2.6)

このことから、海洋上においては、Hs、Hgの決定精度が十分であれば、海面トポグラフィーの算出が可能となり、地衡流場の観測に適用できる。

019-1.gif

前述の式におけるHaは、以下の原理により算出される。パルス幅τのパルスの先端が、物体の表面に到着した時刻(t=0)から、パルスの後端が表面に到着する時刻(t=τ)までに、表面からのエコーが同時に受信され受信電力の大きさは増加する(図2.13)。物体の表面からの受信パルスは、物体の表面からの散乱波の重ね合わせであり、多数個のパルスを平均することにより飛翔体から直下点までのパルスの到着時間が算出できる。

マイクロ波高度計においては、距離分解能を得るために、短いパルスを用いる必要

 

 

 

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