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2.2 マイクロ波リモートセンシング

 

マイクロ波は波長1?から1m程度の電磁波をいう。周波数でいうと300GHzから0.3GHzの電磁波であり電波と赤外線の中間に位置する。能動型マイクロ波リモートセンシングにはよく知られたいわゆるレーダーがあり歴史も古い。

受動型のものは比較的最近本格的に利用されるようになった。熱放射による電磁波を測定するということでは赤外線によるリモートセンシングに同様である。しかし、大きく異なる点は、赤外領域の場合は主に水蒸気の吸収帯のために波長8〜12μm付近の窓領域を除いては大気が極めて不透明であるのに対してマイクロ波は概して大気の透過率がよく、従って地表面からの情報を衛星によって捉えやすい。また、大気中に雲が存在し赤外ではほとんど不透明になってしまう場合でも、周波数を選択することで地表面のリモートセンシングが可能であり、赤外放射では見ることのできない厚い雲の内部の情報も得ることができる。さらに、観測対象に応じた周波数特性、ドップラー効果、偏波特性、後方散乱特性(表面散乱、体積散乱)を測定することにより、可視・赤外域センサでは観測の困難な物理量(例えば、海上風、波向)を測ることができる。

 

(1) 能動型マイクロ波リモートセンシングの原理

能動型における、アンテナから送信された電波が地表面に到達して再びアンテナに帰ってくる過程は、図2.2に示すレーダ方程式により定量的に表現できる。

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