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ボランティアとは、当たり前のことですが、営利を求めて職業として行う行為ではありません。自発的な意思に基づき、報酬を目的とはせずに社会的役割を果たしていくものです。ボランティアは、行政サービスや企業の生産・サービスとは次元の異なるところに位置します。たとえ、同じようなサービスを提供したとしても、その価値観やシステムは異質なレベルのものです。

たとえば、介護に関していえば、行政が自ら行うもの、企業が営利目的で行うものがあり、これらの場合は、ヘルパーに報酬が払われます。さらにまた、公社や社協、生協、農協などの非営利団体が、非営利事業として、しかしヘルパーには報酬を払って介護事業を行うことがあります。これらに対して、実費や謝礼金は別として、報酬は受けずに介護を行うのが、ボランティアと家族です。そして「介護保険法」におけるホームヘルプサービスの実施は、「指定居宅サービス事業者」(以下、指定事業者→P19)が行いますが、この事業には「介護報酬」が設定されています(「介護報酬」は現時点ではまだ決定されていませんが、身体介護には少なくとも「時間当たり三〇〇〇円程度は支払われることになるでしょう)。

つまりボランティア団体が指定を受けて、保険の枠内での活動だけを行うとすれば、団体のホームヘルパーには報酬が支払われますから、そうなると、ボランティア精神を持ってやっていたとしても、法律上「労働者」となり、ボランティアと表現するのはむずかしくなります。この場合には、ボランティア団体の看板を引き下ろしてしまわなければならないでしょう。ボランティア・市民互助型団体は、あくまでも従来から行っている活動を、より発展させるという観点から公的介護保険とつき合うことが基本となります。

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