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ならないでしょう。

? 公的介護保険のホームヘルプサービスは、一回あたり滞在型でも一時間、巡回型は三〇分という想定です。簡単にいえば、身体介護に必要なサービスをすれば終わり、というのが、公的介護保険サービスのホームヘルパーの役割です。

? 公的介護保険は"身体介護のための保険"であって、"心の介護"はもともと範ちゅう外であるということです。

以上のようなことから「介護保険法」では、昔話をしたい、天気がいいので近くの公園まで車イスで散歩に出てみたい、あるいは、たまにはスーパーや美術館まで出かけてみたい、といった希望を持つ人に十分なサービス提供をできない場合が多いでしょう。

実はこのようなサービスを通じて「心のケア」が可能になるのです。人間は食べて、排泄をするだけでも生きることはできますが、それだけでは動物と同じです。人間が人間であるゆえんは、心を持ち、それを人とふれあうことで豊かにし、人生の楽しさや厳しさを感じつつ、生きがいを得ていくのです。ボディタッチを中心とした介護はもちろん必要なことですが、簡単な家事援助や話し相手といった活動が、実は要介護者の「心のケア」に重大な役割を果たすことになるのです。

こうした「心のケア」は、行政管理下のマニュアル化されたサービスより、家族やボランティアのほうが得意とする分野です。従って、「介護保険法」が施行されても、その"外のサービス"を充実していくことはきわめて重要なことになります。ボランティアが公的介護保険制度の外で大いに活躍していかなければ、要介護高齢者が人間的な生き方を続けていくことはできないでしょう。すでにボランティア団体で活動しているみなさんはもちろん、一般の市民の人も、公的介護保険制度ができたあとのボランティア・市民互助型団体の役割の重要性をぜひ認識していてほしいと思います。

 

ボランティア・市民互助型団体(NPO)の基本的立場

 

ボランティア・市民互助型団体の基本的役割は、「介護保険法」の"外"で活動することといえます。

 

 

 

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