応対者の心得ておくべきことは,相手の人格を尊重し,大切に扱うことです。そうすればたとえ問題が解決できなくても,相談者の気持ちが和むことがあります。それだけでも電話のコミュニケーションは意味があったともいえるのです。
私たち医療者が情報をやりとりする上で心得ておかなければならないことは,症状(Symptom)と所見(Sign)の違いです。
症状というのは,患者が感じていることです。往々にして,先ほど上げた曖昧な言葉によって訴えられます。
それに対して,所見というのは脈拍数とか血圧値とか尿にタンパクが検出されたとか,ECG所見に異常があったというような客観的なデータです。患者さんは一緒にした症状―「体が熱っぽい」とか「脈が欠滞する」とか,「背中のあたりに発疹が出てきました」などと症状や所見を一緒にして言うことが多いようです。
電話相談の内容(主として成人を対象に)
では,電話による相談にはどんなものがあるでしょうか。
1.健康維持に関するもの(予防と早期発見)
2.疾病相談(診断や治療に関するもの)
3.リハビリテーション上の相談