4.医療保険等に関するもの(老健法や介護保険に関すること)
5.病院紹介,受診の仕方,受診予約
6.その他
診断をつけるということは,症状として患者が訴えることと,所見として客観的に見たり触れたりして確認できること,そして検査データによって得られた数値などから総合的に判定することです。この場合,患者さんが嫌だと思うことは,当人が訴えることを,医療者が「検査では異常がないから,あなたの気のせいでしょう」などと決めつけることです。人間の体は何よりも敏感なセンサーなのだということを医療者は忘れてはなりません。
ジョンズ・ホプキンズ大学のタマルティ教授は,「いわゆる名医といわれるような臨床医は,とくに2つのことがうまくできるように自分をトレーニングしなければならない。ひとつは患者に語ることであり,もうひとつは患者の言うことに耳を傾けることである」と述べています。患者の訴えたいことを聞くにはどうしてもある程度の時間を提供しなければならず,それをこちらが大切に受け取っているということを相手に感じさせることが大事です。病歴を書くということは,単に何をしたかということをメモすることではなく,話の内容にこちらの心を寄せることです。厳密にいえば身体的所見(physical sign)とは,医療者(医師やナースやコメディカル)が取り出した客観的データだということです。患者からの電話を聞きながら,何が自覚症か,何が客観的な身体所見かをはっきり聞き分けることがまず必要です。