入院患者にも1,000kcalの高カロリーの輸液を指示したりする研修医が多いのです。
いまは,正常値というような漠然とした言葉は使わずに,その人の基準値といっています。人は,健康なときから自分の検査値を知っていなければなりません。かかりつけ医師や人間ドックの検査値を読む医師にも同じことがいえます。普通はアルカリフォスファターゼが240単位あることを知っていれば,それが270単位になっていてもたいしたことはありませんが,平素のこの値が70単位の人が260単位になったのであれば何か重大な病気が隠されているのかもしれません。このようにその人の基準よりも高いかどうかということが問題にされるべきなのです。
また,電話による相談では,専門的に掘り下げた問題に対応するというよりも,いわゆるcommon diseaseに対処できることが要請されますから,ある程度の幅の広い知識,つまりプライマリ・ケアの常識が必要です。内科的なものだけでなく,皮膚科,泌尿器科,整形外科などさまざまの科に及びます。とくに老人に関する質問は多岐にわたることが多いので,プライマリ・ケアについてはオールラウンドに対処できなければなりません。たとえば皮膚の病気は,日本では外科系に入れられてきましたが,皮膚系は内科といってもいいくらいのシステムをなしています。消化器系,神経系というのと同じように,1つの系統をなすものなのです。そして内臓の症状は皮膚に現れることが少なくないのです。
ですから,電話相談に従事するナースは,イギリスのGP(一般