時間をかけています。日本でもこのくらいの時間をかけるためには,再診にみえる患者さんのうち,かなりの数を電話による相談に移行してもらえばいいのではないでしょうか。
「電話だけで大丈夫か」と心配する方もいるかと思いますが,それを大丈夫と思わせるように相談に当たるナースは実力をつけなければならないということになるのです。
電話を用いた相談のコツ
まず基本になるのは,相談にあずかるナースは臨床検査のデータの意味する病態をきちんと頭に入れておくことです。検査値の読み方については,いろいろ参考書がありますから,いちばん自分に合ったものを選び,とにかく数値を覚えてしまいます。覚えるコツは,まず数値の意味することに関心を持つことです。
検査データを判読する上で気をつけなければならないのは,正常値という言葉にあまり惑わされてはいけないということです。若い人と老人とでは正常値が違っていて当然です。たとえば若者の基礎代謝量はほぼ一日1,200kcalですから,まったく食べられない人には1,000kcalの栄養補給の輸液をします。ところが,高齢の私は,これだけ忙しく朝から夜遅くまで仕事をしていますが,一日1,000〜1,200kcalで十分です。これ以上食べると太ってしまうのです。私の年齢(86歳)では,筋肉量や骨量の減った体型から計算すると基礎代謝量はおそらく600kcalぐらいでしょう。それなのに老人の