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その後、次に示す染色法でNAP活性を検出し比較検討を行った。

?@アゾ色素法

?A鉛法→黄色硫化アンモニウムによる発色

?Bセリウム法→Ce-H202-DABによる発色

?Cセリウム法→→Ce-H202-DAB-Niによる発色

 

鉛法はセリウム法と同様に、重金属の鉛で遊離リン酸を捕捉して酵素活性を検出する方法である。鉛法では、リン酸鉛の反応産物を黄色硫化アンモニウムにより硫化鉛に置換することができるので、褐色の反応産物として光顕でその局在を確認することができる(図-5)。

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一方、先に述べたように、セリウムの反応産物は鉛の反応産物より安定であり黄色硫化アンモニウムにより置換することはできないので、HalbhuberらのCenH202-DAB(-Ni)法を用いて光顕レベルの可視化を検討した[11]。Ce-H202-DAB(-Ni)法の原理は、反応産物であるリン酸セリウムが過酸化水素で過水酸化セリウムに置換されると同時に、置換された過水酸化セリウムを水酸化セリウムとラジカル酸素に分解し、このラジカル酸素により反応液中に添加してあるDABがすぐその場で重合・縮合して、不溶性の褐色又は青黒色(ニッケル添加の場合)の沈殿物を生成し光顕観察が可能となる(図-6)[11]。

 

 

 

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