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であった。女性ではコア抗体陽性者94名中11名(11.7%)がトランスアミナーゼ高値であり,コア抗体陰性者では451名中9名(2.0%)で高値であった(表10)。なお,HBs抗原の陽性者は, 897例中5例(0.6%)で,全国平均より低かった。

 

B.コア抗体陽性者の肝機能異常の発現

平成2年,6年,9年に住民検診を受診した491名(男170名、女321名)について,トランスアミナーゼ値異常の出現を検討した(表11)。平成9年のコア抗体陽性は91例(18.5%)であった。このうち58例(63.7%)は3回ともトランスアミナーゼ値正常であった。ただし,このうち7例は,他の検診受診年にトランスアミナーゼ高値の年があった。

平成9年のコア抗体陰性例400例では,373例(93.3%)が3回ともトランスアミナーゼ値正常であった。ただしこのうち9例は他の検診受診年にトランスアミナーゼ高値の年があった。

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C.HCVの新規感染と自然消失

HCVの新規感染を見るため,平成2年にコア抗体値が低値(吸光度0.300以下)の例278例で,平成6年または9年にコア抗体高値となった者を検索した。その結果,

67歳男性 2年コア抗体低値 7年9年ともにコア抗体高値

44歳女性 2年コア抗体低値 7年コア抗体高値 9年再び低値

53歳女性 2年コア抗体低値 7年コア抗体高lLj 9年再び低値

以上の3例にコア抗体の上昇が見られた。このうち,67歳男性と44歳女性にはトランスアミナーゼの一過性上昇がみられたが,57歳女性は経時的に見てもトランスアミナーゼの上昇はみられなかった。

次に,平成2年コア抗体高値の者106例のうちで,後年コア抗体値が低下した者を検索した.その結果13例(12.3%)で97年のコア抗体値が吸光度0.300以下になっていた。この結果から,おおよそ年平均1.8%の

 

 

 

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